DAシンポジウム2024
2024年8月28日から8月30日に三重県鳥羽市で開催された DAシンポジウム2024 において、D3 の陳さんが研究成果を発表しました (口頭発表の発表日は29日)。
タイトル: Gain-Cell DRAMを活用する近しきい値電圧動作に適した行列積演算器
この研究では、近しきい値電圧動作においても性能劣化を最小限に抑えることができる行列積演算器を提案する。メモリにはロジックプロセスとの完全互換性を有し面積効率の高いGain-Cell DRAMを活用する。積和演算器の設計では、トランジスタの縦積み数が2以下の論理ゲートのみを利用し、論理段数を抑えるために潜在的2分木構造を有する対数近似乗算を活用する。これにより、低電圧化による遅延増加を大幅に緩和し、低消費エネルギー化を推進する。評価実験の結果、提案手法が既存の行列積演算器と比べてより良いエネルギー効率を達成することを確認した。
各賞受賞
2024年8月28日から30日に三重県鳥羽市で開催された DAシンポジウム2024において、D3の陳さんと2023年度M2卒の本多さんが下記の賞を受賞しました。おめでとうございます!授賞式は8月28日に開催されました。
- 陳岱鋒, SLDM 研究会優秀発表賞, 2024 年8月.
- 陳岱鋒, IEEE CEDA All Japan Joint Chapter Academic Research Award, August 2024.
(受賞対象論文:陳岱鋒,増田豊,石原亨, “Gain-Cell構造に基づく完全合成可能なスタンダードセルベースDRAM,” 情報処理学会DA シンポジウム, pp. 221 – 227, 2023 年9 月.)
- 本多佑成, SLDM 研究会優秀発表賞, 2024 年8月.
- 本多佑成, SLDM 研究会セッション特別賞, 2024 年8 月.
- 本多佑成, IEEE CEDA All Japan Joint Chapter Academic Research Award, August 2024.
(受賞対象論文:本多佑成, 増田豊, 石原亨, “計算品質を考慮した適者生存戦略に基づき近似計算の品質検証を高速化するファジングテスト手法,” 第248 回ARC・第205 回SLDM・第65 回EMB 合同研究発表会(ETNET2024), 郷ノ浦町, 2024 年3 月.)
Prof. Chun-Yao Wang 来訪
台湾 国立清華大学の Chun-Yao Wang 先生が研究室を訪問しました。ハードウェアセキュリティの検出技術、近似計算回路の設計最適化技術と検証技術、AI モデルの最適化技術などに関して、議論をしました。
DATE2024
2024年3月25日から27日にかけて、スペインのバレンシアで開催されたDesign, Automation and Test in Europe Conference (DATE2024) において、D2の陳さんが研究成果を発表しました (University Fair での発表は 26日、Workshop での発表は27日でした)。
Tai-Feng Chen, Yutaka Masuda, Tohru Ishihara, “Processing-in-Memory Accelerator Design with a Fully Synthesizable Cell-based DRAM,” University Fair of DATE2024, Valencia, Spain, March 2024.
Tai-Feng Chen, Takumi Komori, Yutaka Masuda, Tohru Ishihara, “Dual-OS-based DVFS on a RISC-V Hardware Platform for Energy Efficient Real time Computing,” Workshop 07 – Enabling rapid and sustainable RISC-V based research using open source HW and SW of DATE2024, Valencia, Spain, March 2024.
Workshop では、2022年度の修士卒業生である小森さんと協力した研究成果を発表しました。両発表とも、多くの質疑応答もあり大盛況でした。セッション終了後のディスカッションも含めて、十数名の研究者と意見交換を行いました。
学位記授与
熊谷くん、本多くん、川村くん、香村くん、常くん、原くん、山口くんに学位記が授与されました。おめでとうございます!
ETNET2024
2024年3月21日から23日にかけて、長崎県壱岐市郷ノ浦町で開催された 第248回システム・アーキテクチャ・第205回システムとLSIの設計技術・第65回組込みシステム合同研究発表会(ETNET2024)において、M2 の本多くんが研究成果を発表しました(発表日は22日)。発表、質疑共に堂々としていました。
本多 佑成,増田豊,石原亨, “計算品質を考慮した適者生存戦略に基づき近似計算の品質検証を高速化するファジングテスト手法,” 第248回ARC・第205回SLDM・第65回EMB合同研究発表会(ETNET2024), 郷ノ浦町, 2024年3月.
SASIMI2024
2024年3月11日と12日に台湾の台北で開催された The 25th Workshop on Synthesis And System Integration of Mixed Information technologies (SASIMI) において、M1の王さんとD2 の陳さんが研究成果を発表しました (発表日は王さんが11日、陳さんが12日)。口頭発表後のポスター発表では多くの質疑応答もあり大盛況でした。
Chunlu Wang, Yutaka Masuda, Tohru Ishihara, “An Optoelectronic Pipelined Convolutional-RNN Architecture for Energy-Efficient AI Accelerator,” proc. SASIMI, pp. 14 – 19, March 2024.
Tai-Feng Chen, Yutaka Masuda, Tohru Ishihara, “A Design Strategy for Processing-in-Memory Accelerators Using Cell-based DRAM,” proc. SASIMI, pp. 275 – 280, March 2024.
3月の台北は気候も街の景色も最高で、滞在中半日だけ雨に逢いましたがそれ以外は快晴でした。調度日本のゴールデンウィークのような気候です。
卒業研究発表会
2月19日に、香村くん、川村くん、常くん、原くん、山口くんが卒業研究の発表を行いました。みなさん、しっかりと発表していました。
香村 祐樹, “ハードウェアトロイに対する近似計算器の堅牢性を評価するファジングテスト環境の構築”
川村 哲平, “Vision Transformerの省エネルギー化に向けた近似関数と整数量子化に基づく専用ハードウェアの設計”
常 忠紀, “近似プロセッサの計算品質違反に繋がる論理エラーに対するソフトウェアベースエラー検出手法の有効性評価”
原 伸語, “スタンダードセル設計における理論ソルバを用いたトランジスタ配置とゲート間隔の協調最適化”
山口 明生, “演算ビット幅と反復計算回数の協調最適化によるプロセッサの低消費エネルギー化”
修士論文審査会
2月7日と8日に、熊谷くんと本多くんが修士論文の発表を行いました。二人とも堂々と発表していました。
熊谷僚太, “近似計算回路のタイミング検証に向けたファジングに基づくテストパタン生成手法”
本多佑成, “近似計算回路の動作記述に対するファジングを用いた品質検証手法”