注目

新メンバー加入

2025年4月1日から新たな研究室メンバーとして、
顧 鵬くん (Peng GU)
杜 笑天くん (
Xiaotian DU)
李 健鴻くん
(Jianhong LI)
浦野 友直くん (Tomonao URANO)
太田 充洋くん (Mitsuhiro OTA)
来海 太一くん  (Taichi KIMACHI)
小林 俊博くん (Toshihiro KOBAYASHI)
齋藤 翔太くん (Shota SAITO)
全 牧遥くん (Muyao QUAN)
が加わりました。

EdgeTech+2025

2025年11月19日から21日にかけて神奈川県のパシフィコ横浜で開催された EdgeTech+2025 において、M1の顧くん、杜くん、李くん、B4の浦野くん、太田くん、⼤村くん、来海くん、小林くん、齋藤くん、全くんが研究紹介を行いました。本発表は、名古屋大学 高田・松原研究室、枝廣研究室、本田研究室との合同展示発表でした。

A-SSCC 2025

2025年11月2日から4日に韓国のDaejeonで開催されたA-SSCC 2025において、石原教授が研究成果を発表しました(発表日は2日)。A-SSCCは半導体オリンピックと称されるISSCCのアジア版で、半導体設計技術に関するアジア最大の国際会議です。

Title: The Challenge to Real-time Demodulation and Decoding of QAM Signals using Optical SVM Classifiers

本講演では広帯域通信における受信機に機械学習分類器を組み込むことによりリアルタイムに受信波形の歪みを補正し、送信された元のデジタルコードを復号する技術を紹介しました。機械学習分類器の実現方法として、光サポートベクトルマシン分類器を活用する方法、および、3層の光ニューラルネットワークを用いる方法を提案しました。これらの方法は、光の伝播速度で受信波形の歪みを補正するとともに、従来のAD変換器を使わずにデジタルコードを復号することを可能にします。将来のデータセンタ内の光通信やチップ間光通信などへの拡張展開が期待できる技術と考えています。

SASIMI2025

2025年10月9日から10月10日に奈良県奈良市で開催された、The 26th Workshop on Synthesis And System Integration of Mixed Information technologies (SASIMI2025)において、M2の劉さんとM1の古池さんが研究成果を発表しました(発表は9日)。

Y. Liu, Y. Haruta, Y. Masuda, and T. Ishihara, “Equalizing QAM Waveform Distortion with Linear SVM Classifier and its Machine Learning Dataset Generation,” Proc.  26th Workshop on Synthesis And System Integration of Mixed Information technologies (SASIMI), pp. 66 – 71, Oct. 2025.


Quadrature Amplitude Modulation(QAM)とは、通信において振幅と位相の両方を用いて情報を符号化する変調方式である。 QAM信号は光伝送プロセスなど、さまざまな要因により波形が歪む。本研究では、まずQAM通信におけるデータセット生成に焦点を当て、波形歪みの傾向を正確に学習することを目的とした。次に、事前に学習した歪み傾向に基づいて受信QAMシンボルを識別するサポートベクタマシン(SVM)分類器を用いた波形等化手法を提案した。 評価実験により、提案手法は既存モデルと比較して計算コストを80%削減しつつ、2種類のデータセットにおいてそれぞれ99.01%および99.51%の分類精度を達成できることを確認した。

A. Koike, Y. Masuda, and T. Ishihara, “Enhancing Hardware Trojan Detection via ATPG-Based Transition Delay Fault Testing with Split Fault Lists,” Proc.  26th Workshop on Synthesis And System Integration of Mixed Information technologies (SASIMI), pp. 44 – 49, Oct. 2025.


LSI(大規模集積回路)の高機能化に伴い、開発工程が分業化し、悪意ある第三者によるハードウェアトロイ(HT)挿入の危険性が指摘されている。HT は特定条件下で不正動作や情報漏洩を引き起こす小規模な不正回路であり、検出には高精度な手法が求められる。 本研究では、LSI 製造時に挿入される HT に着目し、回路の消費電力解析に基づきHTを検出するための自動テストパタン生成(ATPG)手法を提案する。提案手法では、HT回路の位置が不明な状況でも活性化を促進するパタンを生成し、さらに回路全体の不要なスイッチングを抑制することで、HTによる電力変化を際立たせる。

SLDM優秀発表賞受賞

2025年8月27日から29日に石川県加賀市で開催された DAシンポジウム2025において、2024年度M2卒の王淳露さんが下記の賞を受賞しました。おめでとうございます!授賞式は8月29日に開催されました。

  • 王淳露, SLDM 研究会優秀発表賞, 2025年3月.
    (受賞対象論文:王 淳露,増田 豊,石原 亨, “A Mixed Signal Simulation Framework based on Verilog and SPICE for Optoelectronic Neural Network Circuits,” 第252回ARC・第208回SLDM・第68回EMB合同研究発表会(ETNET2025), 知名町, 2025年3月.)

    本研究では、光信号と電気信号が混在する光電融合ニューラルネットワーク回路のミックスドシグナルシミュレーションモデルを提案しました。提案モデルは、SPICEネットリストで記述した受光器やCMOS回路とVerilog-AMSで記述した光変調器や光合流器などを同じシミュレーションフレームワークで扱うことを可能にします。また、ノイズが光ニューラルネットワーク回路の推論精度に与える影響を解析するため、Verilog-AMS記述に基づくガウスノイズ発生器も作成しました。このVerilog-AMS記述のノイズモデルにより、ノイズを考慮した大規模光電融合回路シミュレーションが可能になることを示しました。本研究成果は光電融合回路の研究を民主化する重要な取り組みと考えています。

MPSoC 2025

2025年6月15日から20日にフランスのメジェーブで開催されたMPSoC2025において、石原教授が研究成果を現地で発表しました(発表日は16日)。世界中からコンピュータ関連の第一人者が集まる非常にレベルの高い国際会議です。

Title: A Challenge to Real-time Compensation for QAM Signal Distortion using Optical SVM Classifiers

本講演では、サポートベクトルマシン(SVM)分類器を光回路として設計し、それを使ってQAM通信における受信シンボルの波形歪み補償と2進復号化をリアルタイムに実現する方法を提案しました。機械学習に基づく光SVM分類器によってQAM通信の高い広帯域性を保ったまま受信処理における消費エネルギーの削減を可能にします。次世代広帯域通信の省エネルギー化技術として必要不可欠な技術と考えています。

ISQED2025

2025年4月23日から4月25日にアメリカ合衆国のサンフランシスコで開催された、26th International Symposium on Quality Electronic Design (ISQED2025)において、M2の川村くんが研究成果を発表しました(発表は25日)。

Teppei Kawamura, Yutaka Masuda, and Tohru Ishihara “Piecewise-Linear Approximation of Self-Attention and Its Accuracy-Aware Training for Area-Efficient Vision Transformer Inference Accelerator,” Proc. IEEE International Symposium on Quality Electronic Design (ISQED2025), San Francisco, CA, USA, April 2025.

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Vision Transformer(ViT)は、画像処理に特化したニューラルネットワークモデルである。
ViTはSelf Attention処理により画像内の広範な相関関係を捉え、高精度な推論を行うことが可能であるが、ハードウェア資源の消費が激しいという欠点がある。
本研究では、乗算とSoftmax関数に区分線形近似(Piecewise Linear Approximation) を導入し、Self Attention処理を効率よくハードウェア化する手法を提案する。さらに、比較実験の結果から、区分線形近似を導入したニューラルネットワークモデルに適した学習手法を明らかにする。
評価実験により、提案手法を用いてSelf Attention処理を近似しても、近似を行わないモデルと同等の画像分類精度を達成できることを確認した。加えて、提案手法により、Self Attention処理回路の面積を60.2%削減できることを確認した。
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COOL Chips 2025

2025年4月16日から18日に東京大学の武田ホールで開催されたCOOL Chips 2025において、石原教授がパネル討論のオーガナイザとモデレータを務めました(パネル討論は17日)。下記のタイトルで持続可能なAI技術に関する討論を行いました。

Title: Sustainable AI: Emerging Architectures, Devices, and Quantum Computing Towards Future Computing

パネル討論では、韓国ソウル大のJangwoo Kim教授、米コーネル大のJose Martinez教授、京都工繊大の小林和淑教授の素晴らしいポジショントークと会場からの気の利いた質問に助けられ、非常に有意義な議論が出来ました。