ETNET2025

2025年3月17日から3月19日に鹿児島県大島郡知名町で開催された第252回システム・アーキテクチャ・第208回システムとLSIの設計技術・第68回組込みシステム合同研究発表会(ETNET2025)において、M2の王さんとM1の山口くんが研究成果を発表しました (発表は19日)。

王 淳露,増田 豊,石原 亨, “A Mixed Signal Simulation Framework based on Verilog and SPICE for Optoelectronic Neural Network Circuits,” 第252回ARC・第208回SLDM・第68回EMB合同研究発表会(ETNET2025), 知名町, 2025年3月.
ーー
近年、光コンピューティングはポストムーア時代に対応する大規模集積回路に代わるものとして注目される。特に、光ニューラルネットワークの研究が活発であり、設計や開発において、シミュレーション環境は非常に重要な役割を担っている。既存の一般的なシミュレーション環境は、機能レベルまたは物理レベルのどちらかに偏重しており、それぞれに一定の不足がある。本稿では、精度評価と物理特性の両方に焦点を当て、光ニューラルネットワーク向けのHDLベース混合信号シミュレーションモデルを提案する。また、ノイズが推論精度に与える影響を解析するため、Verilog-AMSによるガウスノイズ発生器も作成した。評価実験により、SystemVerilog、Verilog-AMS、SPICEの協調シミュレーションとノイズ発生器が正常に動作することを確認した。
ーー

山口 明生,増田 豊,石原 亨, “反復計算回数と演算ビット幅の削減に基づくクリティカルパス・アイソレーション回路の低消費エネルギー化,” 第252回ARC・第208回SLDM・第68回EMB合同研究発表会(ETNET2025), 知名町, 2025年3月.
ーー
集積回路の省電力設計技術の一つとして,クリティカルパス・アイソレーション(Critical Path Isolation; CPI) が研究されている。CPI は本質的でないクリティカルパスの遅延を削減することにより、低電圧化と低消費電力化に貢献する。一方で、既存研究では一定の面積オーバーヘッドが存在することが示されている。このオーバーヘッドを抑えると同時に、低消費電力化を推進する手法として、CPI と近似計算(Approximate Computing; AC)を協調的に活用する設計技術が提案されている。ACとは、一部の計算や処理を簡略化し、消費エネルギーを削減する技術である。本研究では、近似計算に着目し、複数の近似計算手法を組み合わせ、CPI 回路の省エネルギー化を推進する手法を提案する。評価実験により、既存研究と比較し、消費エネルギー削減効果が増大することを確認した。
ーー